2015年12月4日

2015年11月28日 西丹沢でビバーク講習。

私が講師を担当する、風の旅行社主催「風の登山教室」の、11月のテーマはビバーク体験
11月28日(土)の午後、西丹沢の大滝キャンプ場に集合し、実践講習を行いました。

ビバークとは、屋外で小屋やテントを使わずに一夜を過ごすこと。
本来であれば、着の身着のまま過ごすことも想定しなければならないのですが、それはかなり過酷なサバイバルの世界です。
私は基本的に、登山者の皆さんには常にツェルトを持つことを強くお勧めしています。
ツェルト1枚があるだけで、快適さや安全性が、格段に向上するからです。
そういうことで今回は、ツェルトを持っていることを想定した、ビバークの方法を解説。
まずは最初に、基本的なツェルトの使い方を一通り説明しました。

これは支点が限られる場所での、1点吊りの方法を試しているところ。
私も2013年7月に、マッターホルン(4478m)・ヘルンリ稜で時間切れになったときに、この方法でツェルトを張っています。
シンプルですが、支点の位置さえ良ければ意外と快適です。

次は焚き火の方法を解説。
国内の山の雪のない状態で気温が低いときには、ビバーク時には焚き火ができるとかなり有利です。
その暖かさから体力を温存することになりますし、火があることで不安な気持ちも大幅に和らぐからです。

これは吉川栄一さんという人が書いた、『沢登り 入門とガイド』(山と渓谷社)という本に掲載されている、焚き火の方法を解説した図。
焚き火の方法はいろいろありますが、私はずっとこれで燃やしてきています。
お勧めの方法として、このやり方を説明しました。

集めた流木の太いものを、川の流れと平行にして火床とします。
その上に小枝、細枝を盛り上げて、火を着けた火種を投入。
今回火種としたのはテーピングテープ。
チロチロと良く燃えるので、火種として使いやすいのです。
その他、火種として使いやすいのはガムテープ。
もちろん、メタなどのキャンプ用の小型固形燃料があれば、そういったものも火種には適しています。

燃やし始めは火は小さいですが、決して吹いたりせずに熱をこもらせていると、間もなくボッと火が燃え上がりました。
その後は、中くらいの太さの木を、どんどんくべていきます。

やがて炎は完全に安定。
ここまで燃えてくると、すぐに消えることはありません。
着火してからこの状態までの所要時間は、約15分。
思いのほか簡単に焚き火ができたことに、皆さん少々驚きの様子でした。

さて焚き火で暖まった後は、いよいよビバーク体験です。
危険のない場所を選び、その上でご自身のやりやすい方法でツェルトを張っていただきました。

この方は、通常10mのロープも持参しているということで、ロープを2つの支点にセットした方法でツェルトを張っています。

こちらは片方は木、もう片方はストックを立てて、2点でツェルトをテント状に吊り下げる方法です。
風には弱いのですが、しっかり張れるとかなり快適な方法です。

いっぽう、こちらの方は先ほど説明した1点吊りの方法。
しかし支点の位置がちょっと低くて、ツェルトが顔や体にまとわり付いてしまい、快適さは今ひとつの様子でした。

さらにレスキューシートで寒さを耐えられるかも実験。
近年、登山には必携とされるレスキューシートですが、使ってみるとそれほど暖かくはないというのが、私の実感です。
ないよりはマシでしょうが、決してツェルトの代わりになるものではありません。
これで一夜を過ごすには厳しいものがありますので、やはり緊急時の一時的な保温用と考えておいたほうが無難でしょう。

各自ツェルトの中で夕食をとり、その後は焚き火にあたって、暖かさを実感。
持参したウインナーを炙って食べたりして、なかなか快適でした!

この後はツェルトで朝まで過ごす人、ほどほどにしてバンガローに入って休む人に分かれて、それぞれで一夜を過ごしました。

◆   ◆   ◆

風の登山教室」、次に実施する12月のテーマは、カラダに優しい山歩き
12月9日(水)に実施する机上講習では、膝痛を防ぐ歩き方やトレーニング法、腰痛を防ぐストレッチ法について解説。
また12月19日(土)に実施する実践講習では、より具体的に膝痛を防ぐ歩き方を練習し、下山後には紅葉の名所として知られるお寺にも立ち寄る予定です。

山歩きに起因する体のトラブルは、実は意外と多いもの。
これをきっかけに、体に優しい山の歩き方を体得していただければと思います!
お申し込みは以下のリンク先をご参照ください。
机上講座は、参加費無料です!



▼参考書籍

特集「山の遭難を防げ!」の、「ビバークできる人になる!」というページで、ビバークの方法が解説されています。
一度目を通しておくと良いでしょう。

0 件のコメント:

コメントを投稿