2015年12月3日

2015年11月24日(その2) 妙義山・星穴岳。

先日投稿した、妙義山・石門巡りの続きです。

中之嶽神社の駐車場から石門巡りコースをたどり、大砲岩と天狗の評定に立ち寄って石門広場に戻った後は、妙義山全体でも難峰とされる星穴岳(ほしあなだけ・1073m)を目指しました。

星穴岳は、名前の通りに岩壁中に向こうの星が見える、穴が空いているという特異な形状をしています。
穴は射抜き穴結び穴の、2つがあります。
これはそのうちのひとつ、射抜き穴の中に立ったところ。
ちょうど人間の体より一回り大きいくらいの穴で、思ったよりも小さくて驚きました。

石門広場から金洞山(こんどうさん)方面の道に向かうとまもなく、「これより先 上級者コース」との標識が現れます。
これは星穴岳でなく、反対の鷹戻し方面に向かう登山者に対しての警告です。

そのまま道を進んで急な鎖場を登り、主稜ノコルに到達すると、稜線の星穴岳側には「この先は危険、入るな!(一般道に非らず)」との看板が道を塞いでいました。
これは一般登山者が、間違って入り込まないようにするための措置でしょう。

星穴岳は原則登山禁止ですが、完全に不可ということではなく、相応の技術と装備を持った人であれば登山は可能です。
(警察に星穴岳を登る旨の計画書を提出すると、受理してくれます)
ただしやはり、求められる技術は高く、岩場に慣れているといった程度の、登山上級者では不可能な内容です。
必要となる技術は、ざっと以下の通りです。
・懸垂下降(これまでに100ピッチ以上は下っていることが望ましい)
・登山靴でⅢ+を登れるクライミング能力
・リード、フォローをビレイできること(マルチピッチクライミングの技術)
・ロープ結束技術
まあ大体、広沢寺や三ツ峠、越沢バットレスなどに20~30回くらい通えば普通に身につく、ごく基本的なクライミング技術です。
クライミングはほとんどしないが、鎖場の山はたくさん登っている、というレベルではちょっと通用しないので、星穴岳を目指したい方は、クライミングの練習が必須と言えるでしょう。

なお装備は50mロープ2本を共同装備とし、あとは各自ヘルメット、ハーネス、下降器(安全環付きカラビナもセットで)と、スリング、カラビナ、クイックドローを3~4ずつが必要となります。

さて主稜ノコルから星穴岳方面に向かうと、すぐに5mほどの岩壁が現れました。
固定ロープは下がっていますが、劣化して今にも千切れそうです。
見るとボルトが2本、しっかりと打ち込まれていたので、それでランニングを取りつつ、スタカットで通過しました。

岩場を越えた先の小ピークを過ぎると、さらに左右が切れ落ちた、刃渡りみたいな岩稜が現れました。

もう一度5mほどの岩壁を登った先のピークが、西岳(にしだけ)の頂上です。
前方を見下ろすと、ゴツゴツした山容の星穴岳が間近に迫ってきました。

さらに進むと尾根は行き止まりとなり、右(北)側に下る懸垂下降ポイントが現れます。
それにロープをセットして20mほど降りると、こんどは立ち木を支点として、さらに20m懸垂下降することになりました。
ここはロープ2本を結束して1回で降りることも可能でしょうが、ブッシュが多いのが難点です。
ロープ回収のしやすさを考えると、面倒でも2ピッチにしたほうが無難と感じました。

降り立ったところは北面の急な斜面で、そこからは倒木をまたいだりして稜線の緩傾斜部に出て、あとはおおむね南面をトラバースして進みます。
やがて岩壁に生じた洞穴の、岩室があらわれます。
中を覗きこんだら、ちょっと人が入るには苦しいと思われるくらいの天井の低さでした。。

さらに稜線南面のトラバースは続きます。
こんな感じの、際どい部分も点在しました。
固定ロープもほどほどにありましたが、劣化してあまり信用はできない感じでした。
やがてトラバース道は行き止まりとなり、上に向かう木の根混じりの壁を登るとその先に、スリングのたくさん下がった懸垂下降点が現れます。
ここが射抜き穴への下降点なのですが、とりあえずは通過して星穴岳頂上へ向かいます。

頂上直下の15mほどの岩場。
難しくはないのですが、左右はすっぱりと切れ落ちて、高度感はかなりのものでした。

たどり着いた星穴岳の頂上。
右奥には浅間山(あさまやま・2568m)も見えていました。

星穴岳から見た、裏妙義の稜線。
昨年の4月に縦走したことを、懐かしく思い出しました。

さて頂上からは、来た方向に戻って先ほど登った岩場は、懸垂下降。
さらに通り過ぎた射抜き穴への下降点に戻り、ここで2本のロープを結束してセットします。

射抜き穴への懸垂下降の様子。
途中からは空中懸垂でした。

ここの下降距離は約20m。
ロープ1本を折り返しても可能なのですが、下降点から着地点は見えず、また着地点も不安定な斜面なので、ロープ2本を結束して降りるのが確実です。

着地点から一段上がると安定した広場になっており、じっくりと射抜き穴を観察しました。

この射抜き穴を背にして、広場の左奥に進むと次の下降点が現れます。
ここは45mの懸垂下降となるため、ロープ2本の結束が必須となります。


45mの懸垂下降の様子を、動画で撮ってみました。

次の結び穴へは、降り立った地点からこんどは壁を向いて、左側のルンゼを登っていきます。
固定ロープが途切れた地点で左に回り込み、続く岩場も登ります。

たどり着いた、結び穴。
こちらは射抜き穴よりもかなり大きな、不思議な印象を受ける穴でした。

結び穴からは先程の45mの懸垂下降の着地点まで戻り、そこからは固定ロープやテープによるマーキングを探しつつ、やや左へトラバースするような感じで進みます。
途中でマーキングも乏しくなってきて、最後は中之嶽神社の駐車場を目印に、傾斜の緩いところを選んで歩きました。

最後は「関東ふれあいの道」の看板のところで、一般登山道に合流。
中之嶽神社にお参りをし、駐車場に下りました。

これは中之嶽神社にある、日本一の大黒様。
う~~ん、今ひとつ、品に欠ける感じかも??
でも大黒様は食べ物と財産を司る神様なので、このくらいコミカルなほうが親しみやすくて良いのかもしれないな、とも思いました。

▼参考書籍

一般登山者立ち入り禁止の星穴岳なのですが、雑誌『岳人』の2014年12月号「秘峰探訪④」というページで取り上げられています。
白雲山(はくうんさん)から茨尾根、金洞山と越えて星穴岳まで縦走する、ロングコースとしての紹介です。

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