2014年12月12日

冬向きの沢歩きコース・房総の梨沢。

関東近辺での冬の沢歩きコースの定番とも言える、房総の梨沢に行ってきました。

冬に沢…と思われるかもしれませんが、4月から11月にかけてはヤマビルが活動する房総丘陵の沢は、それ以外の時期、すなわち冬が沢歩きの適期。
水をかぶったり浸かったりする箇所は、ないとは言えませんが少なく、それほど濡れを心配する必要がないことも冬向きとされる理由です。

この梨沢も、出だしの不動滝と中間部の七ツ釜以外は、水量のごく少ない、非常に平坦な沢床を歩くので濡れる場面はほとんどないのです。

これは最初の核心部である、不動滝の様子。
一見威圧的にも感じられますが、左手が階段状になっていて、特に問題なく登ることができます。
グレードはIIからIII-程度かと思います。

今回のスタート地点は、千葉県富津市梨沢の相の沢集落。
家並みの奥にある梨沢橋のすぐ先の広い路上に、地元の方の許可を得た上で車を停めて歩き始めました。

少し車道を東に移動して、郷蔵集落の先から梨沢に下って遡行開始です。

しばらく歩くと、不動滝迂回路の標識が現れました。
我々は迂回はせず、左手のゴルジュを目指して進みます。

これは不動滝を登って、上から同行者を見下ろしたところ。
高差は約6mほどでした。

不動滝を過ぎると、沢床はこのようなナメになりました。
この先も小砂利や落ち葉や泥を歩く場面もありますが、基本はとても傾斜の緩いナメ床が続くので、快適に歩くことができます。

やがて沢の両岸がゴルジュ状に狭まった屈曲点に、大きな倒木の挟まる場所がありました。
ここら辺からが七ツ釜の始まりで、その先の特に深い釜の右岸には、ていねいに「七ツ釜」と記された標識も設置されていました。

その七ツ釜の標識のある、一番深い釜の通過の様子。
ここだけはどうしても、腰近くまで水につかってしまいます。。
しかしなぜか、通過するお二人の表情は笑顔!
冬に敢えて水に入るという、ちょっと理不尽な状況なので可笑しく感じるのでしょう。

七ツ釜を過ぎると二俣となり、右俣へと向かいます。
ここからがこの沢でも最もナメの続く、一番楽しいとも言える区間でした。

沢歩きにもやや飽きる頃、堰堤の右側斜面に付けられた「林道への登口」の案内板を目印に急な尾根筋を直上。
登り詰めると大日如来の石仏が祀られた、小ピークの上に出ました。
そのすぐ先が梨沢左岸の尾根であり、南に進んで林道に合流。

こんどは林道を西に進むと、目の前にそれなりに立派なピークが現れました。
梨沢地区の奥にそびえる嵯峨山(さがやま・315.5m)です。

我々はこの嵯峨山頂上を目指して、保田見集落を経て釜ノ台集落に移動し、人家の脇の登山道へ入りました。

少々荒れた道を登り詰めると小さな祠の祀られた金平神社。
その少し奥が嵯峨山の頂上です。
私がここに立つのは2001年1月3日、2004年1月10日に続いての3回目。
地味な山頂ですが3回も来るというのは、決して嫌いではないとも言えるのでしょう。

嵯峨山からは稜線を西に縦走したのですが、左右が切れ落ちて荒れた感じです。
一度下りきって作業道に出て、そこから小さなコルを越えて北へ下区間は、「七曲り」と名付けられていますが、ほとんど廃道とも思える様相でした。

その後は林道をたどって釜ノ台に戻り、路傍に少しずつ咲き始めていたスイセンの花を見ながら下山開始。

途中では3つの手掘りのトンネルを通過しましたが、最後のものは長いのでヘッドランプを灯しました。
しかし目に入る棚田は荒れ放題、廃屋も多くて、限界集落を思わせる様相です。
日本の中山間地域の現状を見せつけられるような感じで、ちょっと物悲しさも感じつつ梨沢橋へと戻りました。


沢を歩いている時の様子を動画でも撮影したので、ご覧になってみてください。

<参考コースタイム>

梨沢橋(10:00)―郷蔵入渓点(10:23)―不動滝下(11:04)―七ツ釜(12:06)―二俣(12:17)―林道への登口(13:10)―大日如来の石仏(13:32)―釜ノ台(14:14)―嵯峨山(14:29~14:43)―林道合流場所(15:23)―釜ノ台(15:34)―梨沢橋(16:20)


山旅ロガーの軌跡



▼参考書籍


梨沢が掲載されているのは、『千葉県の山』と『ウォーターウォーキング』の2冊。
しかし『ウォーターウォーキング』のほうは二俣で沢を離れるように記されているため、今回我々がたどったコースよりも渓流部分は短くなっています。
『千葉県の山』の通りに、堰堤まで進むほうがコースとしては合理的に感じます。

ウォーターウォーキング2』や『東京起点沢登りルート120』には、房総半島の他の沢が紹介されています。

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