2013年6月4日

提携旅行会社の救助技術研修。

登山ガイドとして生活している私の基本スタンスは、フリーランス。
仕事の内容は個人ガイドや、カルチャーセンターでの登山教室運営など、様々なものがあります。
そしてその中でも大きなウェイトを占めるのが、旅行会社の依頼による、登山ツアーのお仕事。

仕事を請け負っている旅行会社は複数あるのですが、その中のトラベルギャラリー社より、救助技術研修を行うので参加するようお知らせがあったため、出向いてきました。

場所は奥武蔵の日和田山(ひわだやま・305m)の中腹にある、通称日和田山の岩場
集合場所だった西武秩父線の高麗駅から、皆で連れ立って岩場を目指しました。
講師はマウンティンゴリラ登山学校安村淳さん。
…まあ、私はマウンティンゴリラ登山学校のスタッフでもあるので、内輪で進めているような面もあります。。

研修はまず安村さんより、以下の安全管理の3原則について説明がありました。
★安全管理(危機管理)の3原則

1.事前の準備と目配り。
2.危険の予知と回避。
3.救助技術の習熟
本来であれば登山においては、救助技術というのは一切使わずに済ませるのがベスト。
しかし自然相手では、いつどこで予想もつかない事態に遭遇し、他者を救助することになるか判りません。
そういうことで今回は、救助技術をしっかりと復習することになりました。

最初にまず装備の確認をした後、続けて搬送技術の練習です。
今回はザックの肩紐にスリングを巻き付けて、それを要救助者のハーネスのレッグループに固定して背負う方法で搬送。
ザックにストックを付けるだとか、それよりもっと古いコイル状に束ねたロープを左右に振り分けるだとかの方法よりもずっと楽でした。

その後ロープ結束方法について確認。
詳細は以下の通り。
1.ノット(ロープ単体で結び目が成立するもの)
  • 8の字結び(フィギュアエイトノット)
  • 8の字結び(オンアバイト)
  • ボウラインノット
  • バタフライノット
  • オーバーハンドノット
  • ダブルフィッシャーマンノット
2.ヒッチ(ロープと他のものを結ぶ)
  • クローブヒッチ
  • ムンターヒッチ
  • ガースヒッチ
  • ラウンドターン
  • オートブロック
  • クレイムハイスト
まあこうやってずらずらと列記すると大変そうですが、これまで幾多の救助訓練、講習会で反復練習し、そして実際の登攀の場で使ってきたものばかり。
登山経験の長い者であれば、特に難しい結束方法ではないでしょう。

続けて流動分散、固定分散のアンカー構築の再確認をして、午前中は終了。

そして午後は、実際の救助の流れの確認です。
内容は、10mほどの急斜面に転落した、軽傷の要救助者を登山道に引き上げることを想定。
懸垂下降で要救助者の所に降り立ち、簡易ハーネス装着後、3:1のライジングシステムで、登山道まで引き上げる練習をしました。

その後、救助技術ではないのですが、危険防止のための固定ロープ技術についても再確認。

今回は一応は既に知っている技術ばかりでしたが、より合理的な手順を教えていただいた点も多々ありました。
なかなかに実のある研修であり、参加してとても良かったと思いました。


研修が終了したのは、16時少し前。
まだ明るかったので、少しだけクライミングも。
休日は大混雑であまり楽しくない日和田山の岩場なのですが、平日の夕方はガラガラで、気持ち良く登ることができました。

▼参考書籍
  
救助技術のテキストとして定番なのは、この3冊でしょうか。
ただし左の『セルフレスキュー』は、今の目で見るとやや内容が古いかもしれません。。

 日和田山のクライミングルートについてはこれが定番。


おまけに、今回講師の安村淳さんのインタビューが、現在店頭に並んでいる雑誌『岳人』に掲載されています。
こちらも読んでみてくださいね。

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