2013年6月11日

谷川岳・一ノ倉沢南稜。

谷川岳(たにがわだけ・1977m)登山指導センターで仮眠した翌日は、2時半に起床。
急いで準備をして出発です。

徒歩1時間足らずで到着した一ノ倉沢出合。
ここを訪れるのは、実に11年振りです。
しかし感慨にふける暇もなく、雪渓上へ。

出だしの雪渓はすぐに途絶え、左の踏跡を少し歩いて再度雪渓に降り立つと、あとはテールリッジまではずーっと雪渓上を歩いていくことができました。

ガスがかかって岩場の全体像は見えませんが、こういう天気も一ノ倉沢らしいと言うことができるでしょう。
テールリッジ中間部の、転落事故の大変に多いスラブには、フィックスロープが張られていたのでそれを掴んでゴボウで通過。

今回のパートナーは、Climbing Club ZOOのえみちゃん。
可愛い顔をしていますが、残雪期の日高山脈縦走をしたり、ネパール・ロールワリン山群のパルチャモ(6187m)を登ったりと、なかなか気合の入った山行を好む女性です。
今年も3ヶ月以上に渡って、インドヒマラヤのトレッキングに行ったりしています。

テールリッジを登り切った後は、中央稜基部からバンドを左上して南稜テラスを目指します。
たどり着いた南稜テラスで準備をし、やっと登攀開始。
このアプローチの面倒くささも、一ノ倉沢らしさの一つです。

1ピッチ目はリッジ右手から登ってバンドに上がり、そこからチムニーを登ります。
チムニーの出だしのスタンスが、大勢が登るためにツルツルに滑って、ちょっと緊張するところ。

2ピッチ目はバンド状のスタンスを右上。
III+というグレードですが、なぜか私は昔からこのピッチが苦手?
まあよく見ていけば、別にどうということはないのですが。

3ピッチ目は草付の中の踏跡を、ロープを引きずって登って終了。
4ピッチ目は大まかなフェースを少し登って、飛び出た岩の下を左に進んだテラスまで。

5ピッチ目は馬ノ背リッジの下部を登るのですが、あまり良いビレイ点がなく、ロープ目一杯まで登ってしまいました。
結局そこまで登っても、途中のものと大差ないビレイ点だったので、あまりロープが重くならないうちにピッチを切るのが良かったのでしょう。

6ピッチ目は馬ノ背リッジの最上部からテラスに出て、えみちゃんがそのまま核心部のフェースもリード。
上のテラスに出る直前が少し難しいのですが、細かいフットホールドに立ち込んで行けば、程なく上のガバに手が届きました。

さて南稜のクライミングルートそのものはここで終了。
左の6ルンゼ右俣には、懸垂下降用の支点も設置されています。

しかし今回は国境稜線に抜けたいと思っていたので、ロープを結んだまま上を目指しました。

快適な沢登りみたいな感じの、6ルンゼ右俣の上部を150mくらいも登ると、中央カンテの終了点が現れました。
そこからは踏跡を登ると、烏帽子尾根の上に出ます。

さらに上を目指すと、5ルンゼの頭の岩場が現れました。
正面から取り付き、数歩登ったところで傾斜の強い箇所を左から巻くように登ると、あとは容易な踏跡となります。

烏帽子尾根を抜けたところが、一ノ倉岳(いちのくらだけ・1974.2m)の頂上。
ここでギア類は全てしまい、ハイキングスタイルになりました。

国境稜線を谷川岳まで縦走し、トマノ耳(とまのみみ・1963m)の少し先で、西黒尾根に入りました。
この部分は雪田となっており、視界が悪いと少々悩むところです。

そして長い西黒尾根を下って、谷川岳登山指導センターへ下山。
とても充実した山行も、終了となりました。

今回は雪渓あり、岩あり、縦走ありの登山のありとあらゆる要素の詰まった素晴らしいコース。
久し振りの一ノ倉沢を満喫した、とても手応えを感じた1日となりました。

▼参考書籍

今回登った、一ノ倉沢南稜についての記載がある主なガイドブックは以上のようなものがあります。
しかしいずれも、古いものばかり。
山岳地帯の大岩壁を登る、いわゆる「本チャン」のクライミングの人気が衰えてから、けっこう月日が経つのだなと、ふとそんなことを考えてしまいました。。


ところで今回のパートナーである、えみちゃんの日高縦走の記録は、雑誌『山と渓谷』の2009年11月号に掲載されています。
古いものですが、ぜひご覧になってみてくださいね!

2 件のコメント:

  1. こんばんは。
    8月に登る予定で航空券などをとっています。登山指導センターに登山届も提出済みです。
    レポを参考にさせて頂きます。ありがとうございました。
    楽しみです。

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    1. 山頂の凧さん、早速のコメント、ありがとうございます!
      ご存知とは思いますが、8月は雪渓が使えるかどうか、微妙な時期です。
      厳しそうな時は無理せず、ヒョングリの滝の高巻き道を使ってくださいね。
      快適で充実した登攀になることを願っています!

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