2013年4月24日

ゴールデンウィークの北アルプス登山の記録。

春の連休・ゴールデンウィークが近づいてきました。
皆さん、いろいろな山行を計画されていることと思います。

今年の中部山岳は寒気がいつまでも居座り、まるで冬山のように新雪が降っています。
寒気が抜けると、気温は一気に上がります。
雪はたぶん、不安定な状態でしょう。
雪山としてはやや気楽に捉えがちな残雪期ではありますが、しっかりした装備、心構えでお出かけてください。

私は連休前半は関東近辺、真ん中の平日は富士山、そして連休後半は北アルプス南部に出向くことになりそうです。



ところで私がこれまでゴールデンウィークに、一番多く足を向けたエリアは、何と言っても北アルプス。
登山を始めてからの半分くらいは、北アルプスで過ごしています。

充実した登山ができたこともあれば、中には雨に降られて、一切何もせずに帰ってきたことも。
また恥ずかしながら、転落・滑落の事故を起こして、ヘリコプターで病院に搬送され、そのまま入院したこともあります。。

それらの山行の一部分は、記録をネット上で公開、閲覧できるようになっています。
この連休に北アルプスを目指す方の参考になることもあるかと思いましたので、閲覧できる記録をまとめてみることにしました。

これは昨年(2012年)5月4日、北穂高岳から下山する途中に見下ろした涸沢の様子。
この日の午後から稜線では吹雪となり、お一人の方が命を落とすことになったのでした。。


1.不帰 III 峰尾根
とても古いですが1991年5月5日に、後立山連峰・不帰ノ嶮東面を登った記録です。
当時は初めて所属した山岳会・登高会嵓に入会したばかりの頃で、先輩にどやされながらの3日間の山行でした。

実は私はこの時、凍傷を負っています。
部位はなんと、手首。
入山時に登った八方尾根で吹雪に遭遇したのですが、春だからと甘く見ていてオーバーミトンを着けずに行動し、着用していた雨具と手袋との隙間に湿雪が入り込み、そこに強風が当って猛烈に冷たくなったのです。
帰宅したら、手首回りが黒く変色していて、びっくりしました。

↓山行記録へのリンク。
春合宿・不帰岳3峰B尾根

2.鹿島槍ヶ岳天狗尾根
1992年5月3日に登った記録です。
タイトルに「鹿島槍ヶ岳北壁」とある通り、当初は北壁の正面尾根を登るつもりで向かったのでした。
しかし入山翌日からは荒れた天候となり、天狗尾根のピストンのみで引き返しています。

ちなみにリンクを貼った記録文は一緒に登った先輩によるものですが、文末に私がよく働いた、教育が良かった、という記述があります。
「教育」と言えばまあ良い感じですが、要するに怒られることです。
私も若い頃は要領が悪く、色んなことで本当によく先輩に怒られたものでした。

↓山行記録へのリンク。
鹿島槍ヶ岳北壁

3.北穂高岳・滝谷(雄滝下までで敗退)
1994年は5月3日から、滝谷を下からつめ上げる登り方で第2尾根を目指しました。
しかし連日の雨により、暗くて寒い滝谷出合の避難小屋で、3泊4日を過ごしただけで帰ってきたのでした。
期間中、5月5日に雄滝の下まで登ったのが最高到達点でした。

以下の記録はその滝谷のものではなく、一旦帰ってから仕切りなおしで、連休最終日に登った沢登りのものです。
滝を登る途中で巨大なヤマカガシ(毒ヘビ!)に飛びかかられて、非常に恐ろしい思いをしました。

↓山行記録へのリンク。5月8日のものです。
南大菩薩・滝子沢左俣

4.明神岳東稜
2002年4月27日~28日に登りました。
このルートは、主峰の手前のバットレスの岩場が核心。
確かにちょっと難しく、岩が乾いていたのでアイゼンを外して登りました。
いつも上高地から目にはするけれど、なかなか機会のない明神岳の頂上に立つことができて、思い出に残る登山でした。

この時は初日にひょうたん池にテントを張って、その先の傾斜が強まる箇所にフィックス工作に出掛けました。
戻るとテントの周りに、巨大な獣の足跡が!
きっとツキノワグマがやってきて、グルグル周りを歩いたのでしょう。
隣にもテントがあって別パーティの方がいたのですが、昼寝をしていて気付かなかったみたいです。
何とも怖いことです。。

↓同行者の記録です。
さわのすけ★「北鎌尾根」
(当該ページへの直リンクが禁止されています。「山行記録」→「エリア別山行記録集」→「明神東稜(GW)」とクリックしてご覧になってください)

5.奥穂高岳南稜
2008年5月4日に登りました。
トリコニーと名付けられたII程度の岩場が一応の核心。
しかし慎重にルートを選べば、そんなに難しくはないです。
それよりも岩場を抜けて左の雪稜に乗り移る箇所のほうが、高度感が凄くて恐ろしく感じました。

これは奥穂高岳南稜の、トリコニー上部の岩場の様子です。

この時の山行では、奥穂高岳南稜は難なく登り切って、そこからは吊尾根をたどり前穂高岳に縦走。
前穂高岳からは、積雪期は危険とされる重太郎新道を避けて奥明神沢を下るべく、奥明神のコルを目指しました。
しかし…。
先頭を歩く私はルート判断を誤り、不安定な雪壁に踏み込んでしまってその雪壁が崩落。
それによって転落、滑落するという、初歩的なミスによる事故を起こしてしまいました。。
あんまり思い出したくないような、それでもやっぱりしっかり反省しなければならないその時のことは、比較的詳しくブログに書いてあります。

↓山行記録はこちら。
岩と雪の穂高へ。 (1日目)
奥穂高岳南稜。 (2日目:奥穂高岳南稜)
奥穂高岳より前穂高岳へ。 (2日目:吊尾根)
転落、滑落。 (2日目:前穂高岳から奥明神のコルへ)
入院、静養、反省。 (2日目以降:入院時)

6.北穂高岳(北穂沢)
これは昨年、2012年5月4日に登りました。
ほどほど急な雪面の登りに終始し、際立って難しいということはありません。
しかし下りが要注意で、同じような傾斜を延々と下るので足がくたびれてきます。
途中からは尻セードを交えて、一気に(それでもラインは慎重に選んで)下りました。

これは北穂沢下部の様子。我々はすでに山頂に立った後でした。

ということで我々は特に何事もなく下山したのですが、この日から北アルプスで立て続けに死亡事故が発生たことは、まだ記憶に新しいことかと思います。
発生した事故をリストアップしてみます。
  • 5月4日 白馬岳 三国境 6人死亡
  • 5月4日 爺ヶ岳 山頂付近 1人死亡
  • 5月4日 北穂高岳 涸沢槍付近 1人死亡
  • 5月6日 奥穂高岳 間違い尾根 2人死亡
この日の午後からは天気が荒れる予報が出ており、我々はそれを避けるべくかなり早出をして、稜線で吹雪となる前に下山することができました。
やはりそういった気象情報をしっかりと入手し、悪天候を避ける行動を心掛けるのが良いということを、下山後に再確認をしました。

↓山行記録へのリンク。
雪の涸沢へ。 (1日目)
雨に追われた北穂高岳。 (2日目)
明るい明神池。 (3日目)



ということで、記録があるのは以上の6回。
その他にも五竜岳や白馬岳、そして剱岳にも足を運んで思い出に残る山行をしているのですが、残念ながら記録はなし。

それでもこうやって振り返ってみると、ゴールデンウィークの北アルプスはやはり天候の影響が大変に大きい、と感じます。
荒れると真冬なみになるし、晴れると雪がグズグズに腐るし…。
そういった天候による悪条件を予測し、決して無理をしない行動が事故防止には重要と言えるでしょう。

今年の連休は、登山者が命を落とすような事故が起きずに過ぎることを、強く願っています。

▼参考書籍
   
いつも定番のガイドブックだけでは芸がないので、雑誌のバックナンバーで揃えてみました。
これらはガイドブックよりも比較的新しい記録が載っているので、入手できればとても参考になることと思います。

2 件のコメント:

  1. きもとさん、こんにちは。
    KinkachoはこのGWは雷鳥沢BC立山&奥大日の予定です。同行メンバーの選抜組は剣です。
    気をつけていってきます。

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  2. Kinkachoさん、こんにちは。
    いよいよ大山での特訓の成果が生かされますね。
    頑張ってください!

    私は燕岳に向かう予定です。

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