2013年3月17日

呼吸を学ぶ ~高所順応研究会と三宝寺ヨガ~。

東京都山岳連盟による、高所順応研究会が実施されました。
今年で33回目。
私は1998年に実施された、第19回より海外委員として関わってきましたが、第25回から昨年の第32回までは資料作成のみであり、実際に会場へ出向くのは、2006年以来となる7年振り。
本当に久し振りのことです。

今回の高所順応研究会は、例年より時間を短縮し、午後のみの実施。
まず最初に竹花晃海外委員より、「高所順応の心構え ネパールでの実際」と題した基礎知識の講義をした後、いよいよドクターによるメインの講義へ。
今回の講師は、群馬大学大学院医学系研究科教授の斎藤繁先生。
この高所順応研究会でお話いただくのは2回目です。
テーマは、「基礎からわかる高山病 実例と対策」。
主に中学校~高校程度の物理学の知識をベースとしつつ、お話の内容は、以下のように進みました。

●高所では気圧が低い。
●高所では気温も低い。
●高所では水分ロスが多い。
●心拍数の増大・心筋酸素需要の増大は登りで顕著である。
●位置エネルギーを獲得するには、位置エネルギーに変換されない多くのエネルギーを必要とする。
●摂取するエネルギー源によってCO2の発生量が異なる。
●低酸素環境で生体を保つためには、循環器系・呼吸器系・血液性状の変化で対応する。
●血液と接する肺内(肺胞)の酸素分圧を高く保つには、二酸化炭素分圧を下げるしかない。
このような感じで数式なども多く取り上げられたのですが、基本は「個々の数字や数式よりも、メカニズムの理解が重要」ということであり、とても解りやすい講義内容となっていました。
興味深かったのが、過呼吸によって息を止めることができる時間が伸びるという実験。
私は普通に息を止めると、1分しか持たなかったのですが、斎藤先生の指示通り、高所順応を意識した過呼吸をした場合は2分と、ちょうど2倍息を止めることができ、なるほどと思いました。

ということで結論は、

低圧性低酸素環境への適応には時間がかかる。
時間をかけてゆっくり体を慣らしていくことが大事。

ということでした。
高所順応に成功した例として上げられていたのが、山学同志会による、1980年のカンチェンジュンガ(8586m)北壁。
今になっても、この登山が理想的とされていることを思うと、少し複雑な思いがしました。

ところでこの日の研究会は午後からだったので、午前中は生まれて初めて、“ヨガ教室”というものに行ってみることにしました。
ヨガ教室もあちこちにあるのでしょうが、Climbing Club ZOOの仲間が通っているという、石神井公園の「三宝寺ヨガ」というのに連れて行ってもらったのです。
高所順応の呼吸法と、類似点が多いとも言われているヨガの呼吸法。
今回は初めてであり、呼吸よりもポーズをとることに気持ちがいってしまって、あんまり学んだうちには入らなかったかもしれませんが、それでもヨガの一端に触れることができたのは貴重な体験でした。
近いうちに、また足を運びたいと思っています。

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